気分は日記

あんまり調べずに書く、よくある感じの日記です。

科学に詳しいカフェ店員、みたいな雑誌

●専門的なことって、解り始めると面白い。でも、その分かり始めるまでが大変なんだよね。どこから手をつけたらいいのか分からないし、専門書は難しいし。とすると、入門書みたいなのを手にするわけだけど、どうも装丁がイケてなかったり、文章がカタくて飽きちゃう。じゃあお洒落でフレンドリーな専門誌作ればいいじゃん、と企画会議で編集者が言ったかどうかは知らんが、そんな感じの本を見つけました。


日本科学未来館発行の、『ミーサイマガジン』。僕が買ったのは、『計算のロマン』と題された、計算機の特集。リラックスとか読んでる人でもすんなり受け入れられそうな小奇麗なレイアウトで、最新の技術情報を一生懸命噛み砕いて紹介してくれています。計算機に関する全体的な説明のあとは、各分野における先駆者とも言えるような人たちのインタビューもしっかり掲載。対談では山形浩生×藤崎慎吾×島田卓也という、ある層には受けそうなメンツが世界を数値化する美しさについて語っているし、その直後のページでは各界の著名人(前号は緒川たまきだったらしい)がオススメする科学本セレクションのコーナーと、けっこう隙のない構成。いい。今ぼくの中で、dancyuの次に(笑)いい雑誌。

●雑誌って、社会性であったり資本であったり、現時点では個人だとなかなか実現しにくいものを持ちやすいメディアだよね。だから、ブログとかよりも誰かのインタビューや対談を企画するのは容易にできる。あとは、難しく出力するも、分かりやすくアウトプットするも、編集次第。だれでもインターネットを使ってそれなりの情報にアクセスできる今だからこそ、専門的な知識を分かりやすくまとめて出すことのできる本の存在意義を、ミーサイマガジンに感じました(おおげさ)。専門的なことをカジュアルに語ってもいいじゃないか。関係者の方は、ミーサイマガジンみたいな持ってても一見オタク扱いされなくて、しかもぼくにも分かる科学の本をもっと出してくれ!

●科学未来館のほか、青山ブックセンター本店やジュンク堂池袋店においてあるみたい。ちなみに、科学未来館は展示はともかくミュージアムショップが面白かったです。ヘッダの画像にある化学模型もそこで買っちゃった。『科学の友』とか読んでた人はぜひどーぞ。