綿矢りさ『パッキパキ北京』を読む。主人公の菖蒲が単身赴任中の夫がいる北京に乗り込みガシガシと動き回る話。北京のポップカルチャーが固有名詞を交えて細かく描写されており、現代中国の様子が知れておもしろい。30代後半の菖蒲がめちゃくちゃに元気で、とても良かった。中国のパワーと渡り合える女。
「(…)私にとって知性とはムカつく相手をどれくらい早く言い負かせるかだし、教養とは狡い男に騙されず自分の好きなように生きるスキルのこと」
卑しさや刹那主義の綱渡りに対する自覚も含め、『嫌いなら呼ぶなよ』に続いて「悪いやつ」の描き方に血が通い、グルーヴがある。次作も楽しみ。