日本の製造業(ITもそうだけど)が抱える一番の課題は、見積り上でいちばん簡単に圧縮可能な人件費の削減だ。その要望にうまく応えたのが、クリスタルグループ(今はグッドウィルグループがグループ全体を吸収)をはじめとするアウトソーシング企業だった。偽装請負の内情を改めて取り上げたのは意義がある。でもそれ以上にこの本は、「ぼくらジャーナリズムが巨悪を暴きました」みたいな自己陶酔に感じられる箇所が多々あって、ちょっと残念。その慢心のせいかつっこみが足りないところも多々あって、若者の定着率と偽装請負の関連性もなんだかふんわり流してるし、偽装請負の形態のほうが効率的に業務が進む事実にも言及していない。おしい。取材もしっかりしてるのに。面白いのに。ジャーナリズムってなんのために機能してるのか、考えさせられたのはよかったです。(5/40)
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