『動物化するポストモダン』でおなじみ、東浩紀せんせの弟子が著者らしい。ある人から「君を見てると、まさにカーニヴァル化って感じがするんだよ」と言われ渡されたこの本は、たぶん、20代後半から30代前半の、ベンチャー企業に勤めてる人だったら頷いちゃう心理状態を整理してくれている。「なりたい自分、絶対的なやりがいなんてない」ってしらけてる鬱の状態と、「これちょーおもろい!これこそ生きがい!」とか言っちゃってテンション上がり徹夜も辞さない躁の状態。あるでしょ、こんな気分の往復。鈴木謙介は、東が『動物化する〜』で提唱していたデータベースという考え方を使って、現代をデータベースと現実を行き来する祭りの連続だとまとめてる。現代を語る際に、オタクを(直接的には)引き合いに出さないのも好感。オタクオタクって、いやオタク以外の人も現代を生きてるんですよ、せんせ!(2/40)