ギュンター・テメス 著、森本智子、遠山明子 訳『ビア・マーグス ービールに魅せられた修道士』を読む。13世紀のドイツ、貧しい農家に生まれたニクラスは当時各家庭で行なっていたビール醸造が好きになり、専門的に取り組める修道院に入ろうと考える。彼の手記を底本に書かれる構造の小説で、ビールの進歩と共にあったニクラスの人生を読む楽しさと、古代ヨーロッパの生活史、文化史としての面白さがあった。断食中でもビールは許されているのでみんなガバガバ飲んでいたとか、ビール職人はどの土地でも比較的財を成しやすかったとか、「生活」を読んだ気分。あとドイツのビールレジェンドたちが実名で出ているそうです。
