気分は日記

あんまり調べずに書く、よくある感じの日記です。

今年読んだ面白かった本、7-40冊を一気に書くよ

仕事収まったー。おつかれさまでした!今年やり残したことで、すぐに片付きそうなことから順番に。

2007年が終わるまでに、40冊の本を紹介するよ(2007-05-20)

みごと立ち消えたこの企画、6冊でいきなり止まってました。相変わらずの三日坊主!というわけで残りの34冊、一気にまとめました。今年は純文学や古典をほとんど読んでなかったんだなーとかわかって面白かったです。無駄に長いのでたたみます。年末の読書の参考にどうぞ。


かわゆきものを切り出す男子の妄想力ばんざい!(7/40)

夜は短し歩けよ乙女

夜は短し歩けよ乙女

理詰めで世界を理解しようとして帰ってこれなくなくなっちゃう男子の身勝手さもばんさい!谷川流ってハルヒの前にこんな救いのない話書いてたんだね…(8/40)

絶望系 閉じられた世界 (電撃文庫 1078)

絶望系 閉じられた世界 (電撃文庫 1078)

わーないわーとなる絶望感をリミックスされるとさらに寒々しくなっちゃう。わかってる、わかってるよ!と言いたくなる事柄なだけに、それを客観的に書いてくれてることがほんとうに救い(9/40)

ラノベ出身者が「小説」を改めて語るのが気持ちよかった。いまさらかよーでも三島由紀夫賞してるしわかんねえなーカテゴライズって(10/40)

1000の小説とバックベアード

1000の小説とバックベアード

感情を書くのはどうしたって女性のほうが得意で、でもこの客観性はなんだ、うわーちょう冷静に関係性まで書いてる!と思っておののいた(11/40)

海の仙人 (新潮文庫)

海の仙人 (新潮文庫)

距離感を取ろう、とする素直じゃねーなーというスタンスは同世代感覚。SEXという言葉は強度があってみんなで共有しやすいんだけどその先にあるエロはほんとどうでもいい(12/40)

人のセックスを笑うな

人のセックスを笑うな

なんかこわい、みょうに落ち着かない、そんなもやーっとした感覚に形を与える作業って楽しいよね!と言ったら江戸の人は共感してくれるのかなー。造形がもっさりしてるのも妖怪のいいところ(13/40)

妖異博物館 (ちくま文庫)

妖異博物館 (ちくま文庫)

今の世の中を理解するにはなんとなくじゃやっぱり危険なのかなーと再確認できた。でも仕組みばっかりみてると「今日の朝たべたパンが美味しかった」みたいなの忘れそうでこわいよね(14/40)

メディア・コントロール―正義なき民主主義と国際社会 (集英社新書)

メディア・コントロール―正義なき民主主義と国際社会 (集英社新書)

正論言われると腹が立つ。誰に向かってなにを言いたいのか不明確だと、ネタにされてる「若者」としては気持ちよくないんだなあ(15/40)

「本当の自分」の現象学 (NHKブックス)

「本当の自分」の現象学 (NHKブックス)

まだチャーリーのスタンスのほうが、「大人」に向けて話してくれてる感じがしてすんなり読めた(16/40)

ウェブ社会の思想 〈遍在する私〉をどう生きるか (NHKブックス)

ウェブ社会の思想 〈遍在する私〉をどう生きるか (NHKブックス)

東せんせまで行っちゃうと、「大人」が「ぼくら」のことをかまってくれてるうれしいなーという関係性になっちゃうんだなと気付いて興味深かった。「ぼくら」て。もう26なのにおれ、みたいな(17/40)

「ぼくら」にとってリアルなのは、ほんとは日銭を稼ぐこと。やりたいことでエンパワーするけものみちを見る前に、今の会社制度をちゃんと見といたほうがいいような気がする(18/40)

会社の品格 (幻冬舎新書)

会社の品格 (幻冬舎新書)

将棋に役立つ考え方はすんごい汎用性の高いライフハックでした。なにこの人まじ明快でおもしろい(19/40)

決断力 (角川oneテーマ21)

決断力 (角川oneテーマ21)

ライフハックの基本は物事をコントロール可能な状態におくこと。で、それを体に置き換えると痩せるわけだ。納得感ある!と同時にデブってほんと便利なキャラ付けの要素なんだよねってとこで激しく共感(20/40)

いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)

いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)

今年のオタキングはほんと冴えてた。世界をハックすることは自分をハックすることでーみたいな能書きの着地点が自分が気持ちよくなるところでいい(21/40)

「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書)

「世界征服」は可能か? (ちくまプリマー新書)

安全なところからモノ申すのはほんとうにキモチいいもので、そんな人たちをさらに安全なところからクサすのはもっと快感なのであった。とはいえ前回のほうが永江朗も返り血を浴びる位置から切り込んでいて面白かったかなー(この距離感!)(22/40)

新・批評の事情―不良のための論壇案内

新・批評の事情―不良のための論壇案内

同属嫌悪に見えなくもない、容赦ないぶったぎりっぷりが気持ちいい。フェミニズムは女性がやるから面白い、というパラドクスはつくづく皮肉なもんよのう(23/40)

麗しき男性誌 (文春文庫)

麗しき男性誌 (文春文庫)

好きなことを学問的に語ることができる人は幸せなんだろうな羨ましいな、と思いつつ着いていけない自分の語学力にくーっとなる。世の中の翻訳がぜんぶ、この教室みたいにどきどきするようなものになればいいのに(24/40)

翻訳教室

翻訳教室

ほんとタクボクってサイテーでチャーミングね!読まれない前提の文章って心情描写の精度が高くなるんだと気付く(25/40)

啄木・ローマ字日記 (岩波文庫 緑 54-4)

啄木・ローマ字日記 (岩波文庫 緑 54-4)

「読まされていく」感が快感だった。大人どうしのコミュニケーションみたいな読書は楽しい(26/40)

チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)

チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)

チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)

チーム・バチスタの栄光(下) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 600)

大切なことを照れずに誤解させずに伝えるにはこんなに言葉を尽くさないとだめなんだなーと舞城王太郎を読むたびに思う。こんなに筆力のある人がちゃんと世の中に興味を持ち続けているのがありがたい。もっと書いて欲しい(27/40)

みんな元気。 (新潮文庫)

みんな元気。 (新潮文庫)

ヤクザのCIなんてちょっとやってみたいじゃないですか。特に残らないけど文字を追う楽しみがあった(28/40)

なかよし小鳩組 (集英社文庫)

なかよし小鳩組 (集英社文庫)

本だからこそできる表現ばっかりでハラ痛いほど笑えた。テンプレートを共有した状態でのボケにつっこむのは楽しいなあ。ジャーン、ジャーン、ジャーン、雄雄雄ー!!(100000人の妹が登場)。バカス(29/40)

超妹大戦シスマゲドン (1) (ファミ通文庫)

超妹大戦シスマゲドン (1) (ファミ通文庫)

知ってることと知らないことが繋がる瞬間って快感で、そんな機会がごろごろしてたこの本が好き。資料として手元においておきたい(30/40)

タイアップの歌謡史 (新書y)

タイアップの歌謡史 (新書y)

知ってたことをさらに深堀するのにも、やっぱり本て便利だよなー。恐竜の骨格模型を見るときの楽しみはどうしてもその復元の根拠みたいなところになりがちなんだけど、そこをより知る本て少なかったんだよね。というわけで毎年の恐竜博の前に読み直したい1冊(31/40)

恐竜ホネホネ学 (NHKブックス)

恐竜ホネホネ学 (NHKブックス)

科学の面白さを語るためには科学を語っちゃいけないんだ、という意図は見えるものの、どうしても語る側の存在が強くなってしまいサイエンス・コミュニケーションって難しいもんだなあと再確認。面白いことを知ってる人と、語れる人っていうのはやっぱり違うのかもなあ。なにと科学をクロスオーバーすると面白いんだろ、やっぱり音楽なのかなあ(例:http://sciclub.sakura.ne.jp/)(32/40)

いろいろ考えなくても、面白い事実を身近に感じさせる語り口調こそがコミュニケーションの肝なのかも、なんて元も子もないことを思わされるくらい解りやすくておもろかった。昔の日本人テラフリーダム(33/40)

日本の歴史をよみなおす (全) (ちくま学芸文庫)

日本の歴史をよみなおす (全) (ちくま学芸文庫)

あらためて読んでみればよっぽどこの本がサイエンスコミュニケーションだっつうの。女子高生が、宇宙になかば強引に打ち上げられるコメディ、という設定が既に笑える(34/40)

女子高生、リフトオフ!―ロケットガール〈1〉 (富士見ファンタジア文庫)

女子高生、リフトオフ!―ロケットガール〈1〉 (富士見ファンタジア文庫)

国鉄と労組の戦後史、ちょっと面白すぎる。富の再配分とかいろいろ思うところはあるけれど、言及されている人たちがいまだ現役でJRを動かしてるってすげーよな(35/40)

マングローブ―テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実

マングローブ―テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実

いまFOXでやってるHEROES(ちょうおもしろい)もそうなんだけど、アメリカのカルチャー知らないと解らない面白さってけっこう多いよね。アメリカのティーン映画なんか特にそう。しかもそんな映画の監督陣って、くそーと思ってすごした青春時代を取り返すかのように脚本かくもんだから、この本はちょう重宝してます。文化史として保存版(36/40)

ハイスクールU.S.A.―アメリカ学園映画のすべて

ハイスクールU.S.A.―アメリカ学園映画のすべて

たあいもないんですよ、なに食べた美味しい!海行った楽しい!新井素子はそんなことをつれづれ書いてるんだけど、それに対して吾妻ひでおの愛あるカットが涙をさそう。男ばかりのコミュニティに若いおにゃのこが急に入ったときの、美しいありさまにニコニコしました(37/40)

文章はエンターテイメントの中でも異常にコストパフォーマンスが高い(すごい人が書けば、ね)。文章上でしか実現できないような、時代小説というフォーマットをいいようにもてあそんだ、笑える「小説」。こういうのがもっと読みたい(39/40)

パンク侍、斬られて候 (角川文庫)

パンク侍、斬られて候 (角川文庫)

きっとぼくら世代以降の成長物語は、自分でいろいろ考えて、未成熟な大人とも対等な立場でなんでじゃーと悩んで、ちょっとずつ進んでいく形じゃないと成立しないんだろう。その点で「ジョン平とぼく」は出色。理不尽な社会をファンタジーで語れるのはほんと偉大で素敵。「おんなのこ、を、いじめたら、だめ、だ」なんて今どれだけの人がさらりと書くことのできる言葉なんだろう。魔法、科学、成長、関係性。今年ぼくが好きだった要素がいっぱい入ってたのもうれしかったなー(40/40)

ジョン平とぼくと (GA文庫)

ジョン平とぼくと (GA文庫)