気分は日記

あんまり調べずに書く、よくある感じの日記です。

大日本人は付き合い始めのカップルには非オススメ

面白かったなあ。なにがって、上映後の劇場が。見てた人全員の頭の上に、はてなが浮いてるみたいな、え、なにこれ?って空気。「大日本人」という映画自体は面白いんだか、つまらんのか、ひじょーに判断しづらい映画でした。ぼくも終始、はてな顔。見たあとの感触はいいのよ、だからきっと面白かったんだけど、わかりづらい。友達にオススメしづらいなーというのが感想。


とは言え、せっかく見たんだから、なにがわかりづらかったのか整理しとこう。


その1、“特撮パロディもの”のお約束がまったく出てこないので理解するのに時間がかかる。

まっちゃんて頭がいいだろうね、そしてきっと周りからの評価をすごい気にする人なのかな。今までにない映画を作るために、今までのお約束を丁寧によけて映画を作ったみたい。その結果、映画として理解しようとすると、いいのか悪いのか、判断基準がないものができちゃった感じ。ぼくらが考える、特撮をネタにした面白いことは本編ではほとんど扱わない。かわりに持ち出すのが、人が生きていく滑稽さだったりする。そうかー、そういう設定か、と理解したところで、じゃあ笑えるのかというとまたそれも難しい。で、次のポイントにつながる。


その2、笑っていいボケなのか解りづらい空気感

つっこめないんだよね、見てるほうとして。映画としてみた場合、「大きくなって獣と戦うことを仕事とするオッサンの日常」を淡々と追うっていうプロットなんだけど、その世界観の作りこみ方にスキがない。だから、いろんなところにボケがあることは解るんだけど、それをつっこもうにも、お話の中では普通のことなので、観客側からつっこんでわらっていいものなのか解んないんだよね。「特撮」と「オッサンの滑稽さ」ていう文脈が交差してて笑いの要素にはなってるのに、その交差の仕方が用意周到すぎて完璧な世界観が出来ちゃって、コントに見えない。逆に映画っぽくて、ゴダールとか小津とかみたいな(こういう比較もなんか違うんだけど)雰囲気をもったお話にしか見えなくなっちゃう。劇中につっこみ役がいないと、こうも違うのかーと思ったよ。



うーん、改めて書いてみたけど、きっとこういう感想もおりこみ済みで作ってるのかもなあ。最後のオチがなければ「文学的である意味映画的」なんて評価も出てきただろうに、それすらも避けるつくりだったし。この映画を見て一番困ってるのは、まっちゃんの後輩たちじゃないだろうか。「まつもとさーん、見ましたよ面白かったっス!」なんて、おいそれと言えない空気があったもん。頑張れ吉本の下っ端!