気分は日記

あんまり調べずに書く、よくある感じの日記です。

『植物たちの救世主』を

カルロス・マグダレナ(翻訳:三枝小夜子)『植物たちの救世主』を読む。世界最大級の英国国立植物園キュー・ガーデンで植物の繁殖に携わる著者のエッセイ。植物への情熱が感じられる語り口はノーベル物理学賞受賞者であるリチャード・P・ファインマンのエッセイ『ご冗談でしょう、ファインマンさん』を彷彿とさせるくだけた部分もありながら、植物のラテン語表記を必ず入れるなど読者に対する誠実さが現れていて好感。バーテンダーからスタートしたキャリアもユニークだ。

現時点で利用価値が見出せない植物だからといって根絶させてよいはずがないし、理解できないからこそ、その存在を保全していくべきだという著者の姿勢に強い共感を覚えた。こういう気概でないと何かを救うことなんて出来ないだろうな、と思う。