- 作者: 小西康陽
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 1996/12
- メディア: 単行本
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ボサノヴァの再発レコードやお気に入りのポストカード、彼女と行ったフランス映画のパンフレットなんかと一緒に部屋にころがしておいて、ふと気づいたときに気まぐれなページからぱらぱらと眺める。そんな付き合い方(笑)がよく似合うコラム集。つまり、図書館で借りるような本ではなかったということだ!
いやー扱うトピックスの気の利いていることよ。レコードや映画、旅先で見た街の景色まで、照れちゃうような素敵なチョイス。このコラムを読むと、何を伝えるべきかよりも、何を伝えないか(恥ずかしがるか、かな?)という感性こそがセンスに転換するという事実を痛感するんだぜ、なんてピチカートを初めて聞いたときには想像もできなかったほどプヨプヨな腹をさすりながら思うのだった。
スノッブにならず紹介できているのは小西さんの筆力のなせる業。置いてよし、読んでよしってけっこう希少なエッセイなのでは。こっちは絶版らしいので、今ならば新著「ぼくは散歩と雑学が好きだった。」をどうぞ。くれぐれも、買ってお部屋に置いておくこと。