- 作者: 中沢新一
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 1994/11/01
- メディア: 新書
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歴史の本流から無視された存在である『悪党』。彼らを軸に今の日本が基盤としている社会様式の成立を読み直す試み。かなりいかがわしくて面白かったー。以下、もうちょっと調べたいと思った項目をメモ。
- 武士の尊厳を中心に据えた鎌倉幕府に対抗するために、後醍醐天皇が海賊や山賊、密教徒を味方に付けることではじまる価値観の変質
- 春画のクオリティが世界的にもずば抜けて高い理由
- 博物学と妖怪学に見る日本人の自然理解メソッド
なんとも雑然とした内容!でも、宗教、歴史、経済あたり、自分の不勉強からわからないことばっかりで、もっといろいろ知りたいなーとポジティブになれるのは確か。たとえトンデモなことが書いてあったとしても、そんな気持ちにしてもらえるなら許せるよ!最終章では中沢新一自身が「奇跡」を見ちゃうし(なんで人間のアイデンティティを探る学者の人って決まって奇跡を見るのかね)、ユーもそんな俗っぽさ含めてこの雑然とした世界を引き受けちゃいなよ!と言われている気分になって楽しかった。